「これまた微妙な……」
「何が微妙なの?」
「長すぎる、くどすぎる、登場人物が多すぎる。あんまり面白くない」
「ひ~」
「原作の小説はそれほど悪くなかったのだけどね」
「何が違うんだい?」
「原作の複雑さやトリックは小説としてはぎりぎりセーフ。しかし、映画としてはアウト。アウトだけど、原作を尊重する以上原作通りに進行させる必要がある。登場人物は大幅に削れない。キャラのファンが付いているから」
「どういうことだよ」
「最近思うのだが、2時間を超える映画は何か削れる要素があるし、削った方が良いと思う。何かが多すぎる」
「多すぎはサービスじゃないの?」
「観客が一気に受容可能な情報量には限りがあるのだ。多すぎは悪だよ。見てもその場で把握しきれない」